猫が留守番中に死んでしまったというのは、飼い主にしてみたら耐え難くとても心を痛ませるものです。このような悲劇を防ぐためには、わたしたち飼い主が十分に対策をしてあげることが必要です。
- 猫が留守番中に死亡する原因や事故を防ぐ方法が知りたい。
- 猫の留守番期間の限度や準備について知りたい。
そんな飼い主さんのために猫を飼って40年の私が、
- 猫の留守番中に起こりうる危険の種類
- 危険についての対策
- 留守番期間の限度や注意点
を本記事で紹介します。
この記事を読むことで様々な危険があることを事前に知っておくことができます。事前に知っておくだけでも愛猫の命を守ることになりますよ。知識は大きな予防策。ぜひ、一読していただいて愛猫の安全を守ってあげてくださいね。
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猫が留守番中に死んでしまう原因
猫が留守番中に亡くなってしまう一般的な原因は以下の10個です。
- 誤って何かを飲み込む(誤飲)
- 間違ったものを食べる(誤食)
- 自由に外に出てしまう(脱走)
- けがをしてしまう(けが・転落)
- 電気に触れてしまう(やけど・感電)
- 窒息
- 溺れる
- 熱中症になる
- 餓死・脱水症状
- 持病の悪化や急病
代表的な原因はこれら10個です。それぞれの原因について詳しく説明していきましょう。
1.誤飲
猫は気になるものを口に入れてしまう傾向があります。誤って口に入れてしまった場合取り出すためには大きな手術が必要になることも。
特に注意が必要なのは以下の5つ。
紐やひも状のもの
おもちゃや輪ゴムなどの紐状のものは危険です。
猫の舌はざらざらしているため、紐をなめるうちに体内に誘い込んでしまうことがあります。最悪の場合、腸閉塞という状態になり、緊急手術を行わなければなりません。
セーターなどのウール製品
セーターやスポンジ、段ボールなどを食べてしまう猫もいます。特に早い時期に離乳せず母乳をしっかりと摂取していなかった猫に多くみられます。毛布などの噛み癖がひどい場合は、医師に相談しましょう。
人間の薬やサプリメント
猫は薬のアルミシートを噛んで遊ぶのが好きです。しかし、風邪薬や解熱鎮痛剤のような人間の薬にはイブプロフェンやアセトアミノフェンが入っていて、とても危険です。猫にはこれらの薬を分解できる酵素が存在しないため、肝不全や腎不全になってしまうリスクがあります。
除草剤や駆虫薬、洗剤
ボトルのキャップから薬剤が漏れていると、猫の体や足に付着してしまい、なめてしまうことがあります。塩素系の洗剤や漂白剤には、タンパク質を溶かす効果があるため、消化器系に影響を与えてしまうことがあるので注意しましょう。
アロマオイル
猫にとってアロマオイルは危険です。
肝臓障害を引き起こしてしまう可能性があります。猫は嗅覚が鋭いので香りもNG。飼い主さんがアロマで癒されたい気持ちは理解できますが、なるべくアロマオイルの使用は避けるか、使う場合は棚の中など猫が触れない場所にしっかり保管してください。また、猫の近くで使用しないようにしましょう。
以上の5つは特に多い誤飲事例なので、きちんと対策を取っていきましょう。
2.誤食
誤食で多いのが観葉植物です。猫には食べてしまうと猛毒な観葉植物がたくさんあります。また人間にはおいしいものでも猫には有毒な食べ物もあるのでしっかり覚えておきましょう。
観葉植物
ユリ系は花も花粉も茎も葉もいけている水ですら猛毒となります。口に入るとよだれや嘔吐、食欲不振が見られ24時間以降に腎機能の低下が始まり、急性腎不全に陥って最悪死に至ってしまいます。
絶対に家の中に持ち込まないようにしましょう。
他にも毒性のある花が多いので、猫がいる家庭は観葉植物は避けたほういいでしょう。
他の毒性のある植物
アジサイ・ポトス・アロエ・チューリップ・ユリスイセン・クロッカス・アザレア・ツタ・アマリリス・シクラメンなど多数
キッチン
人間には無毒でも猫にとっては有害な食品もあるので注意しましょう。
他の毒性のある食べ物
そば・パパイヤ・ブドウ・マンゴー・イチジク・ネギ・ニラ・アボカド・玉ねぎ・ニンニクなど
ネギやニラの葉っぱで遊んでいるうちに、かじってしまったなんてことが多いので注意しましょう。
神経症状を起こす可能性があるので絶対に近寄らせないでください。
3.脱走
猫の体は柔軟で足音も立てません。ちょっと開いているドアや窓から外に出てしまいます。外では車の事故やウィルスの感染の危険もあるので、脱走を防ぐことは非常に重要です。
4.ケガや転落
ドアが急に閉まってしまいドアに体を挟んでしまうことがあります。高層階のマンションなどでは風圧も強く、勢いで閉められることがあるので、注意が必要です。
また、ゲージの上部が格子状で、ねこが足を引っかけて捻挫したり骨折してしまうこともあります。ゲージの上に座布団やパネルを敷いて、足が絡まないようにしましょう。
他にも、高層マンションはベランダから転落してしまうことがあるので、網戸などに対策をしてベランダに出ないように注意しましょう。網戸は簡単に開けられるため、柵などが有効です。
5.やけどや感電
冬場に低温やけどをしてしまうことがあります。暖かいストーブやヒーターなどが、長時間皮膚に触れないようにしてください。
また、感電の原因としてはヒーターなどの家電製品のコンセントにささったプラグをかじってしまう子、長いコードがむき出しになっていることでかじってしまう子もいます。電化製品のコードやコンセントのカバーを取り付けるなどしてたいさくをしましょう。
他にも雄猫のスプレー行為をしてしまったおしっこがコンセントにかかってしまい漏電の危険性もあるので注意しましょう。
6.窒息
猫はレジ袋などのカシャカシャという音や触感が好きです。野生時代の習性から、獲物の骨をかむ音に似ていると言われています。穴倉などで暮らしていたことから、小さな箱や袋に入りたがります。特に、レジ袋は首に絡まってしまい窒息の危険があるので、注意が必要です。
また、ブラインドのひもに飛びついて首が絡まってしまう事故も起こることがあります。
9.溺死
お風呂のお湯がそのままの状態だと、猫が滑って落ちることがあります。猫が落ちないように、お風呂の蓋を閉めるか、水を抜いておくようにしましょう。
8.熱中症
エアコンの設定温度は26度~27度が適切です。停電などでエアコンが止まってしまうと、熱中症になる危険性があります。
また、ドアが閉まって出られなくなってしまうことがあります。夏にエアコンのない部屋に閉じ込められると熱中症になってしまう可能性があるので、対策をしておきましょう。
9.餓死・脱水
何日も旅行などで不在となり餌や水がなくなってしまい餓死や脱水をおこしてしまいます。ご飯が出なかったり、猫がぶつかって水の入れ物を倒してしまったりするからです。
水がのめなくなることで、脱水症状を起こしてしまいますのであらゆる事態を想定しておきましょう。
10.持病の病気の悪化や急病
飼い主がいないストレスなどで持病が悪化してしまうことがあります。トイレが汚くなり、膀胱炎になったりひどくなると、数時間で命を落としてしまう可能性があるので注意が必要です。
以上、10個の原因をあげました。
これらの危険は次にあげる5つの対策で防止することができますよ
猫を留守番中に死なせない5つの対策
では、猫を死なせないためにはどんな対策が必要になってくるのでしょうか?
5つの対策を実行しましょう。
1.片づける
とにかく、日常生活で掃除する癖を身につけましょう。
これは意識しないと身につきません。
私も物を放りっぱなしにする性格でした。
ある日、つい出しっぱなしにしてしまった紐のおもちゃを猫が飲み込んでしまったのです。
大事にならなかったものの、猫に苦しい思いをさせてしまいました。
それからは、部屋を片づける習慣を身につけ、決してひものおもちゃは出しっぱなしにしないようにしています。
猫のためにぜひ片づけをし、彼らの手の届かない所に物をしまう習慣を身につけましょう。観葉植物などを飾りたい場合は、ガラスのケースに入れるか、猫が触れない場所に天井から吊り下げるなどの工夫をして楽しみましょう。
2.ドアストッパーや柵
ドアによる事故や脱走などの対策には、ドアストッパーや柵などを利用しましょう。ドアストッパーは猫を閉じ込めることを防止するのにも役立ちます。
3.戸締りをしっかりする
脱走対策にはこれしかありません。猫が外に出たがっても室内で過ごせるように、安全なおもちゃなどを用意して注意を引きましょう。
4.感電・低温やけど対策
感電対策には電気コードやコンセントにカバーを取り付けましょう。
低温やけど対策にはホットカーペットや湯たんぽの設定温度を猫が長時間触れても大丈夫な設定温度にしましょう。
我が家ではタオルに巻いたホッカイロをつかってしまい、低温やけどをさせてしまい1か月毎日通院状態になってしまいました。
低温やけどは重症化しやすく死に至ってしまいますので十分気を付けましょう。
5.熱中症対策
エアコンの設定温度や停電時のことも考えてあらゆる準備をしましょう。詳しくは別の記事でも紹介しているので参考にしてみてください。
猫の留守番期間の限度や準備について
猫が留守番できる時間は1泊2日までです。それ以上の場合は、安全面を考慮し、ペットシッターやペットホテルに預けることをお勧めします。また、ペットシッターやペットホテルのポイントをまとめたこちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
留守番中の危険対策チェックリスト
では、猫の危険を回避するための簡単なチェックリストで外出前の確認に役立ててみてください。
- 戸締りは適切に行われていますか?
- 猫が自由に出入りできる部屋は制限されていますか?
- ドアストッパーでドアを固定していますか?
- コンセントや電気コードには対策がされていますか?(例: カバーの使用)
- お風呂場の水は排除されていますか?または蓋をしていますか?
- 観葉植物は猫の手の届く範囲に置かれていませんか?
- エアコンの設定温度は適切ですか?
- 十分な水と食事が用意されていますか?
- トイレは清潔に保たれていますか?
- 紐や小さな薬などは適切に収納されていますか?
- 猫が倒れやすいものはありませんか?
これらを最低限確認していきましょう。
こちらの記事にもチェックリストがありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
出かける前には、玄関ドア付近などで確認できるようにしておきましょう。
見守りカメラで安全を外から確認
見守りカメラを使用することで、外から安全を確認することができます。
室温などを感知したり、トイレに行く回数で無事を確認したり、トイレや給餌機にカメラが装備されているなど、さまざまな種類の見守りカメラがあります。
ぜひ、猫の安全のためにも用意してあげてください。
まとめ
猫だけのお留守番では、私たちが想像もしないようなトラブルがたくさん起こります。そのため、私たち飼い主が危険をできるだけ回避するように気を付けてあげなければいけません。安心で安全なお留守番ができるよう細心の注意を払ってあげましょう。
そして、できるだけ早く帰宅してあげてくださいね。それが一番の対策です。私自身も気を付けながら、皆さんの愛猫が安全にお留守番ができることを心から願っています。