何歳から老猫っていうんだろう?
老猫と呼ばれる時期はずばり
11歳くらいからです。
7歳からシニア期だと聞いたことがあるけど違うの?
7歳からは確かにシニア期と呼ばれています。
そのころから、身体の機能が徐々に衰えはじめ、病気のリスクが高まるからです。
実際は7歳から10歳までは中更年期
老猫と呼ばれる11歳以上がシニア期
15歳以上になると老年期
となり、15歳以上は今まで自立していた猫も
人による集中ケアが必要になってきます。
老猫になったら、今までとお世話の仕方を変えなくちゃいけないのかな?
老猫にはどんなお世話が必要なんだろう・・・
そんな疑問を抱えた
7歳くらいの愛猫を飼われているあなたにむけて
この記事では
- 7歳から始まる中高年期の猫の特徴
- 老後に向けての注意点や環境整備
- 愛猫との老後のコミュニケーション方法(飼い主さんにやってほしい3つのこと)
猫を飼って40年の私が、経験してきたことを交えて解説していきたいと思います。
私も初めて飼った猫が、だんだん年老いていくのを見て、最初のころは何をしたらいいかわからず戸惑いました。
老化は止めることができません。
しかし、少しでも老猫についての知識があれば
心構えができます。
ぜひ、私の記事を参考にして、愛猫のために老後の準備をしてあげてくださいね。
7歳から始まる中高年期の老猫の特徴
7歳から老化のサインが見え始めるというけれどどんな特徴が出始めるの?
猫も人間と同じように年齢とともに老化していきます。まず、外見上でわかりやすくあらわれるのは目、耳、歯、爪、毛、皮膚、体形です。
ではそれぞれ詳しく見ていきましょう。
見た目
体の部位 | 変化や症状 |
---|---|
目 | 視力低下、物にぶつかることがある |
目ヤニが増える | |
遠くを見つめることが多くなる | |
耳 | 聞こえにくい |
名前を呼ばれたり大きな音に反応が鈍くなる | |
自分の声も聞こえにくく、声が大きくなる | |
歯 | 歯が黄色から茶色っぽい色 |
歯が抜け始める | |
歯周病や歯槽膿漏により口臭がつよくなる | |
爪 | 爪をひっこめるじん帯が弱くなり、床をカチカチと音を立てて歩く |
毛 | 毛につやがなくなり、ぱさぱさと感じる |
毛割れが見られる | |
白髪が増える | |
皮膚 | 皮膚の柔軟性がなくなる |
乾燥し、ふけが目立つ | |
肉球がかさつき硬くなる | |
体型・顔 | 顔が頬がこけてほっそりする |
背中をなでると背骨がごつごつと感じる | |
筋肉量が減少し、おなかが垂れる |
以上のような見た目のサインが出てきたら、老猫のケアの準備をしていきましょう。
見た目だけでなく行動面にもいろいろなサインが出始めます。
行動面
寝ている時間が増える
20時間近く寝ることもあり、眠りも深く、
急に起こされると寝ぼけて状況を把握するのに時間がかかることもあります。
動きが鈍くなる
行動がゆっくりになり、若い時のような活発な動きが徐々に減ってきます。
立ち上がったり、歩き出したりなど、一つ一つの行動に時間がかかります。
遊びが減る
遊びにあまり興味がなくなり、興味をもったとしても集中力がつづきません。
自然と遊ぶ時間も減ってきます。
ジャンプ力の低下
平衡感覚や運動能力が低下します。
後ろ足の筋肉が減少し、関節も衰えて瞬発力もなくなってきます。
今まで上っていた、キャットタワーのような高い場所も登れなくなります。
しかし、シニア期に入っても活動的な猫もいます。
老化のサインは猫によって現れ方も異なります。
病気や関節の痛みなどが原因で活動性が低下することも多いので、複数のサインが見られたら早めに獣医師に相談しましょう。
老後に向けての注意点や環境整備
1. 定期的な健康診断を受ける
健康診断は1年に1回は受けるようにしましょう。
シニア期の猫は、以下のような病気にかかりやすいです。
- 腎臓病
- 糖尿病
- 心臓病
- 甲状腺機能亢進症
- 歯周病
定期的な健康診断で、これらの病気を早期発見・早期治療できるようにして、猫の健康を維持してあげましょう。
猫のストレスになるから病院はちょっと・・・
という飼い主さんの気持ちもわかりますが、
病気が悪化して痛みが長く続くストレス
長い間通院することになるストレス
を考えると、健康なうちに受診して、少しでも愛猫が健康にいられるようにするほうがいいです。
そのほうが、愛猫にとっても飼い主さんにとっても負担が減ることになるので、ぜひ健康診断は定期的にするようにしましょう。
2. 老猫にあった食事を与える
消化機能が衰えてくるので、愛猫が消化しやすい食事に変えてあげましょう。
カロリーや栄養バランスの配慮も必要です。
シニア期の猫は以下の点に配慮した食事を与えましょう。
- 消化しやすい食事
- カロリーや栄養バランスのとれた食事
- 歯が弱い猫でも食べやすい食事
高齢期に入った猫の食事は、運動量や体の健康状態などにより、量を減らしたほうが良い場合とその逆があります。
様々な療法食も市販されていますが、必ず獣医師に相談しましょう。
歯が弱くなっている猫には、硬い粒状のドライフードはふやかして与えましょう。
ウェットフードを取り入れたりして、愛猫が食べやすくなる工夫をしてあげることが大切です。
3. 十分な運動をさせる
運動量が減ってくるため、無理のない範囲で運動を促しましょう。
7歳から10歳の中年期にどんな過ごし方をするかで、老齢期の生活がかわってきます。
7歳を過ぎるころから、猫は運動や遊びへの欲求が減り、のんびりとした日常を過ごすことが多くなります。
まだ動くことができる時期はなるべく猫の狩猟本能を刺激する動きで、猫の脳と体の老化を加速させないような遊びをしてあげましょう。
ねこじゃらしなどのおもちゃでも
動かし方で、猫の興味の示し方も変わってきます。
一緒に遊ぶ時間を作って愛猫と研究しながらコツをつかみましょう。
4. 快適な環境を整える
シニア期の猫は、以下のような環境を整えてあげましょう。
・シニア向けの食器を選ぶ
・食事や水の器の高さを配慮
・高所と低所の上り下りの段差を少なく
・家具の高さを調整する
・高いところよりなるべく低い場所に安心できる居場所を作る
・トイレにスロープを付けて段差をなくし入りやすくする
・暑さ・寒さ対策はこまめに調整する
・寝心地のいいベッドを用意
愛猫の体にかかる負担を少しでも軽減してあげたり、居心地のいい場所を用意してあげることで、愛猫は快適に過ごすことができます。
ちょっとした配慮をしてあげることで、愛猫の健康にも影響してきます。
ぜひ、注意点を頭にいれて、これからのケアに役立ててください。
愛猫との老後のコミュニケーション(あなたにやってほしい3つのこと)
寄り添うことからケアを始めよう
シニア期になってくると猫に手がかからなくなってきます。
手がかからなくなってくると、つい放置しがちですが、一日に一度は猫のそばでゆっくりと過ごす時間を作ってあげましょう。
優しくなでたり、
好きだった癖を思い出したり、
猫の気持ちに寄り添う時間を作ることが大切です。
私も、仕事と家事の忙しい毎日の中で、15分から30分は必ず猫に寄り添います。
猫も安心した顔でとてもうれしそうだし、
残り少ない時間を少しでも一緒に過ごしてあげたいと思うからこの時間を大切にしています。
一緒に過ごす例として、
猫と目線の高さを合わせて寝そべってみたり、
膝の上に抱っこしてあげたりでも構いません。
また、なでたり触ったりすることで、
健康状態もわかり、スキンシップもとれて
愛猫の心のケアもしてあげられます。
同じ時間を共有しているんだという思いが伝わり、愛猫も安心するでしょう。
猫の気持ちを想像してあげよう
若いうちは猫も飼い主さんに要求も多くて、私たちは要求を受け止める側でした。
しかし、老猫になり寝てばかりいると要求も減っり、積極的な動きがなくなるため、つい放置しがちです。
猫が起きているときは、猫が何をしたいのか
想像力を働かせて観察してあげてください。
この習慣は、身につくと猫だけでなく普段の生活にも役立ちますので、ぜひ普段から習慣にしてみるのがおすすめです。
猫の動きのペースを知ろう
老猫は、判断や決断力が鈍くなります。
飼い主さんの膝に乗りたくなって、飼い主さんにゆっくり近づこうとしたとします。
いざ、乗ろうと思ったら飼い主さんがいなくなってる・・・
猫の気持ちが取り残されてしまいます。
飼い主には悪気はありません。
むしろ、そういうことは日常の動きであると思います。
しかし、老猫にとってはタイミングが合わず、寂しい気持ちにさせてしまいます。
仕事や家事に追われて忙しいとは思いますが、
取り残された猫の気持ちを想像してみてください。
愛猫との時間を大切に
猫のシニア期は、体や心の変化が見られる時期です。
私たち飼い主は、愛猫の変化に気づき、適切なケアやコミュニケーションを心がけて行きましょう。
そして、シニア期がすすむと愛猫と過ごす時間も限られてきます。
そんな時こそ、意識的に愛猫との時間を大切にしていきましょう。
毎日、少しずつでもいいので、愛猫と触れ合う時間を作ってあげてください。
愛猫との時間は、飼い主さんにとってかけがえのない宝物です。
愛猫との幸せな時間が長く続くように、しっかりと知識をつけて守ってあげてくださいね。
私も、うちのニャンズを守っていきたいと思います。